Splunk Observability Cloudのダッシュボード作成のベストプラクティス

組織でのダッシュボードの共有、ダッシュボードのスタイルガイドの作成など、Splunk Observability Cloudでのダッシュボード作成のベストプラクティスを紹介します。

Splunk Observability Cloud は、ダッシュボード用にさまざまな視覚エフェクトと整理のオプションを提供します。このセクションでは、これらのオプションを使用するためのガイダンスを提供します。

シングルインスタンスとマルチインスタンスのダッシュボードを使用する

ダッシュボードは、類似したトピックに関するチャートをグループ化するための効果的な方法です。たとえば、特定のホストやサービスに対して複数のメトリクスを確認するのが一般的です。

インフラストラクチャや共有サービスの場合、集計や母集団を見るダッシュボードを作成することもしばしば有用です。

Infrastructure Monitoringが提供する内蔵ダッシュボードのほとんどには、シングルインスタンス版とマルチインスタンス版の両方が含まれていることに注意してください。

ダッシュボードが乱雑になることを回避する

同じダッシュボードを、異なる要素、サービス、環境、またはチームに対して表示したい場合があります。たとえば、テスト環境と実稼働環境の比較のために監視したいインフラストラクチャ メトリクスの一式があるとします。

環境ごとに個別のダッシュボードを作成するのではなく、ダッシュボード変数を使用して、デフォルトでは特定の環境を表示し、簡単に別の環境の表示に変更することのできるダッシュボードを作成できます。

ダッシュボードを公開して組織で共有する

ダッシュボードを作成し、チーム外で共有したいこともあります。ダッシュボードを公開して組織で共有する場合に、このワークフローを利用します。

  • ユーザーは、自分のユーザーダッシュボードグループに、ドラフトとして自分で使用するチャートおよびダッシュボードを作成します。チャートに必要なメトリクスの名前がわからない場合、通常はメトリクスファインダーからチャートを作成します。メトリクス名がわかる場合はチャートビルダーから直接作成します。また、共有ワークスペースとしてチームダッシュボードグループを作成し、そこで作成と編集を行うこともできます。

  • ユーザーは、共有する準備の整ったチャートまたはダッシュボードができたら、それを使用するチーム、またはそれが表すサービスや環境に対して適切な名前を付けたカスタムダッシュボードグループを作成(まだ存在しない場合)し、そのダッシュボードグループに、準備したチャートまたはダッシュボードをコピーします。

  • 論理的にチームの担当範囲に含まれるか、サービスのコンポーネントをサポートする内蔵ダッシュボード(またはフィルタリングされたバージョン)がある場合、それらも適切なダッシュボードグループに保存されることがあります。たとえば、Kafka サービスのカスタムダッシュボードグループがあり、さらに Kafka 固有のメトリクスがある場合、Kafka が依存しているクラスターの EC2 インフラストラクチャメトリクスを表示したいことがあります。この場合、適切なフィルタを EC2 の内蔵ダッシュボードに適用し(たとえば aws_tag_service:Kafka を使用)、[Save as] を使用してこのダッシュボードを Kafka ダッシュボードグループに追加します。

組織のスタイルガイドを設定する

組織全体で実用的で見やすいダッシュボードを作成するためのスタイルガイドを設定します。このようなガイドの一般的な要素として、次に示すようなチャート設定オプションの基準が挙げられます。

  • チャートのタイトルに使う用語とその略し方: 「送信(TX)」、「接続(conns)」、「書き込み速度/秒(writes/sec)」など。

  • 大文字・小文字の区別の統一: センテンススタイルの大文字表記かヘッドラインスタイルの大文字表記かを選択します。

  • 短いタイトルと意味のある説明を採用する: ダッシュボードに表示されるチャートに、タイトルと説明の両方を含めるようにします。

  • カラースキームの統一: Infrastructure Monitoring により、チャートの自動カラーリングスキームが提供されます。色を手動で設定する場合は、一貫性のあるパレットを使用します。

  • 単位: Y 軸ラベルに単位を使用します。

  • 時間範囲: ご利用のデータとチャートタイプに合った時間範囲を選択します。

スタイルガイドは、典型的なユーザーがどのようにダッシュボードを見るかに応じて、ダッシュボードのレイアウトに関する基準も含んでいます:

  • 壁面に取り付けられたフラットパネルディスプレイで使用するダッシュボードの場合、通常は各行に 3 ~ 5 つのチャートを収められます。5 つ以上だと表示が困難になる場合があります。また、チャートの 1 つまたは 2 つが単一の値のチャートになる可能性があります。

  • ノートパソコンのような小さな画面で使用することを想定したダッシュボードの場合、一般的にチャートは4つ以下が望ましく、通常は2つか3つです。

  • 読みやすさを確保するため、1つのダッシュボードにつき3~5行のチャートにします。

空白のチャートを避けるための事前計画

チャートにフィルタを適用すると、空白が表示される場合があります。このようなことを避けるには、ダッシュボードを作成する前に、ダッシュボードをどのように使用するかを検討してください。以下に、検討すべき一般的な問題を挙げます。

  • 適用されるディメンションまたはプロパティは、ダッシュボード上のすべてのチャートで共通ですか?

  • ダッシュボードがフィルタリングされている場合でもユーザーが何を見ているのか理解しやすいように、チャートに名前をつけたり、個々のタイムフレームを設定したりしましたか?

  • チャートの使い方を説明するテキストノートを使用していますか?