メトリック定義でのワイルドカードの使用
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カスタムのダッシュボードウィジェットまたは正常性ルールでは、ワイルドカードを使用して、複数のハードウェアエンティティやメモリプールなど、複数のエンティティにまたがって評価するメトリックを指定できます。
ワイルドカード機能は、メトリック階層の Hardware Resources、JVM、CLR の各ブランチ内のメトリックに対応しています。
モニタリング拡張機能を使用して作成されたカスタムメトリックの場合、ワイルドカード機能はアプリケーション パフォーマンス モニタリングに関連付けられていないサーバーエンティティでのみサポートされます。単一のメトリックまたはメトリック式の相対メトリックパスでワイルドカードを使用するには、次のいずれかのパスを使用して正常性ルールを作成します。
- [Alert & Respond] > [Servers] > [Health Rules] > [Create Health Rules]
- [Servers] > [Alert & Respond] > [Health Rules]
ワイルドカードを使用するには、以下を行います。
- 表示したいメトリックの相対メトリックパスを定義します。そのためには、メトリックブラウザから完全なメトリックパスを取得してそのパスを切り取る必要があります。
- 相対メトリックパスに変更を加えて複数のエンティティに適用します。
- 構成しているウィジェットまたは正常性ルールのメトリックセレクタに、変更を加えた相対パスを貼り付けます。
相対メトリックパスの定義
メトリックパスは、特定のメトリックのパイプで区切られたパスです。コントローラ UI では、メトリックブラウザでメトリックにカーソルを合わせると完全なメトリックパスが表示されます。メトリックを右クリックすると [Copy Full Path] オプションが表示されます。
相対メトリックパスを定義するには、完全なメトリックパスの左端部分を切り取ります。
特定のユースケースに対してどの程度切り取るかを知るには、セットアップしているウィジェットまたは正常性ルール構成の [Metric Selection] パネルで埋め込みメトリックブラウザを確認します。このセレクタに到達する時点までに、選択したいメトリックのアプリケーション、ティア、またはノードは構成されているはずです。
相対メトリックパスの最初のセグメントとして [Metric Selection] パネルのカテゴリを使用し、完全なメトリックパスのうち、そのセグメントより前に来るすべての部分を切り取ります。この例では、最初のセグメントは [分析データ収集時間(Analytics Data Collection Time)]、[分析方法評価時間(Analytics Method Evaluation Time)]、[分析スタックトレースキャプチャ時間(Analytics Stack Trace Capture Time)]、または [平均絵ンドツーエンド遅延(Average End to End Latency)] になります。
前出の例に従うと、メトリックブラウザからコピーした完全なメトリックパスは Application Infrastructure Performance|ECommerce Server|Hardware Resources|Disks|dev-dm-1|% CPU Time です。
埋め込みメトリックブラウザでの表示は [ハードウェアリソース(Hardware Resources)] から始まるため、[メトリックの選択(Metric Selection)] パネルで選択されているカテゴリ(この例では [ハードウェアリソース(Hardware Resources)])より左に来るすべての部分を切り取ります。
相対メトリックパス:Hardware Resources|Disks|dev-dm-1|% CPU Time
メトリックブラウザからコピーされた完全なメトリックパスが Application Infrastructure Performance|ECommerce Server|Individual Nodes|ECommerceAppNode|Hardware Resources|Disks|dev-dm-1|% CPU Time. のようになる、別の例を考えてみましょう。
Hardware Resources の左に来るすべての部分を切り取った後の相対メトリックパスは、Hardware Resources|Disks|dev-dm-1|% CPU Time です。
相対メトリックパスの修正
相対メトリックパスの単一のセグメントをアスタリスクに置換して、そのセグメントによって表されるすべてのエンティティに対してメトリックが評価されるべきであることを示します。
例:
相対メトリックパスが Hardware Resources|Disks|dev-dm-1|% CPU Time で、その階層またはノードのすべてのディスクについて CPU 時間の割合の正常性ルール条件を表示または作成したいとします。
ディスク名をアスタリスクに置き換えます。例:Hardware Resources|Disks|*|% CPU Time
複数のエンティティに対するメトリックの構成
ダッシュボードウィジェットまたは正常性ルールの [Metric Selection] パネルで、複数のエントリに対するメトリックを構成できます。
複数のエンティティに対するメトリックを構成するには、以下を行います。
- [Metric Selection] パネルの下部にある [Specify Relative Metric Path] を選択します。
- 変更を加えた、ワイルドカードを含む相対メトリックパスを貼り付けて、[Select Metric] をクリックします。
Verify the Metric Specification
When you configure a relative metric specification for multiple similar entities in a custom dashboard, multiple metrics display in the widget.
ワイルドカードはパスセグメント全体を置換
アスタリスクはパスのセグメント全体を置換します。正規表現で使用されているため、文字列の一部のみを置換するために使用することはできません。
たとえば、次の使い方では、View で始まるすべてのビジネストランザクションに対する ART を取得しようとしていますが、これは無効でありサポートされていません。
Business Transaction Performance|Business Transactions|ECommerce Server|View*|Average Response Time (ms).
ECommerce Server のすべてのビジネストランザクションに対する ART を取得するには、Average Response Time (ms) を指定します。
メトリックパスに含まれるコロン
コロンがある場合、メトリックパスはパイプに変換されます。パイプとパイプの間には1つのセグメントしか存在できません。コロンとパイプは同義で使用できます。
例:
メトリックパスに含まれるコロン。Application Infrastructure Performance|ECommerce Server|JVM|Memory:Heap|Committed (MB) は、Application Infrastructure Performance|ECommerce Server|JVM|Memory|Heap|Committed (MB) に変換されます。
相対メトリックパスの場合、コミット済みヒープとコミット済み非ヒープの両方のメトリックを取得するには JVM|Memory|*|Committed (MB) と指定します。JVM|*|Committed (MB) と指定しないでください。