ディスクI/O要件
マシンが実稼働環境でコントローラのパフォーマンス要件を満たせるかどうかを決める重要な要素となるのが、マシンのディスク I/O パフォーマンスです。
I/O 待機時間に関して、2 つの要件があります。
- このディスク I/O は、コントローラに継続的に負荷がかかっている状態で、コントローラのプライマリストレージの最大書き込み待機時間が 3 ミリ秒以下になるパフォーマンスを達成する必要があります。Splunk AppDynamics では、過剰なディスク待機時間が原因で発生するコントローラの問題について、サポートを提供できません。
- コントローラのセルフモニタリングを設定する必要があります。セルフモニタリングには、コントローラホストにおけるデータパーティションの待機時間を計測する SIM エージェントが含まれます。構成には、ダッシュボードと、最大待機時間が 3 ms を超えた場合にトリガーする正常性ルールアラートを含める必要があります。コントローラのセルフモニタリングの詳細については、カスタマーサポートにお問い合わせください。
ディスクI/Oオペレーション
コントローラでは、コントローラパフォーマンスに対して重要な意味を持つ 2 つのタイプの I/O オペレーションが実行されます。
- MySQLインテントログは待機時間に対して非常に敏感であり、MySQLではさまざまなブロックサイズを使用して書き込みが実行されます。
- MySQL の InnoDB ストレージエンジンでは、ランダムな非同期の 16Kb 読み込みおよび書き込みを使用して、ストレージおよびキャッシュ間でデータベースページを移動します。適切にサイズ指定されたコントローラでは、多くの読み込みがいずれかのソフトウェアキャッシュから行われます。
パフォーマンスを最適化するには、RAID構成のストライプサイズが書き込みサイズと一致することが重要です。2つの書き込みサイズは、16Kb(データベース)と128Kb(ログ)です。サポートされる最小ストライプサイズを使用する必要がありますが、16 Kb よりも小さくすることはできません。ハードウェアベースのRAIDコントローラを使用している場合、これらのストライプサイズに対応していることを確認してください。ストライプサイズは、データディスクの数とストリップ/セグメント/チャンク(単一ディスクに保存されるデータ部分)を乗算することで特定できます。
SANベースストレージの制限
通常はオンボードディスクがI/O要件を満たしていても、I/O待機時間が長いためにSANベースストレージのパフォーマンスが低下する場合があります。また、NFS マウントされたファイルシステムは使用しないでください。NFSによって待機時間や処理能力の制限が増え、コントローラのパフォーマンスが低下し、データの破損につながることもあります。同様に、基盤となるネットワークのサービス品質上の問題の影響を受けるiSCSIまたはその他のSANテクノロジーも使用しないでください。
待機時間が長いこれらのストレージテクノロジーの1つを、1分あたりの予測メトリクス処理数が1M以上のシステムにデプロイする場合、すべてのストレージアクセスに対するライトバックキャッシュとして構成されたミラーNVMeが推奨されます。このようなデバイスを構成することで、これらの環境で発生した長い待機時間の一部が解消されます。
すべてのケースで、実際のトラフィック負荷で展開の完全なテストを実行してから、コントローラを実稼働環境に配置してください。